会員からのメッセージ

たったこれだけの真実

判決後2か月が過ぎました。新たなアスベスト飛散防止の仕組みづくりに向けて模索中です。
裁判中よりは忙しく、現実のもどかしさを痛感しています。
裁判により「夙川短大の解体現場(事業主:株式会社創建)には相当量のアスベストが存在し、これが三栄建設の
違法行為により一定量の飛散があった」との事実が認められ、記録に残すことができました。
子供たちの将来のために、最低限の事だけはできたのかなと思っています。
たったこれだけの真実を手に入れるために、2年9か月の裁判を必要としたのかと感慨深いものがあります。
これらは本来、行政が日常の業務として淡々と行うものであり、市民生活の安全を守るべき責務としての基本的な
業務内容であります。
支援者の皆様が、其々の役割を果たして下さった成果であると、原告団一同心より感謝申し上げます。
たったこれだけの真実ですが、この重さや尊さを互いに理解し合えることをうれしく思っています。

判決において示されたことは、
①建物のアスベスト調査において、「設計図書」の重要性
②行政は、住民の命を守るという大気汚染防止法や兵庫県の条例の趣旨に則してその責務を果たすために、規制権限
や調査権限を積極的に行使すべきである
など、今まで行政が認めようとしなかった事柄です
これらを今後のアスベスト飛散防止の仕組みづくりの礎として存分に活用しなければなりません。

行政が積極的にこの仕組みづくりに参加するためには、行政の問題意識や真摯な対応が求められますが、市会議員や
私達住民にも同じことが言えます。
法を遵守した安全な建物解体によるアスベスト飛散防止策を実現して、西宮から全国に発信できる日を夢見ています。
困難な道程はもとより承知していますが、これには多くの声や力が必要です。皆様方と共に歩んで参りたいと思います。

「一人の百歩より、百人の一歩を」

追記 
5月27日裁判報告のため、石井西宮市長に面談して、今後の飛散防止の仕組みづくりに向けてリーダーシップを
発揮してほしいと申し入れをしました。その後届いた市からの回答書は、見事に傍観者的な内容で「アスベスト
が存在し、飛散した」という文字はどこにもありませんでした。(回答書の内容はこちら) <上田 進久>