会員からのメッセージ

提訴に際して思うこと ― 未来の娘のために、今、自分ができることを 


 私には6歳の娘がいます。夙川短大跡地の解体現場の近隣で多くの子どもたちが学校に通い、工事中、多くの子どもたちが周辺で遊
んでいました。専門家の見立てですと同時代に建てられた学校校舎のほとんどにアスベストが使われている可能性が高いとのことで、
夙川短大のケースも当然その懸念が当てはまるとされています。今回、私たちの調査で、その懸念が現実のものであったと結論づけ
ざるをえない結果となりました。工事を進めた業者の方々、工事を監督する立場にあった西宮市のご担当の方々は、現場の周囲で多
くの子どもたちが学校に通い、近隣で遊んでいたことをご存知であったはずです。また私たちが独自調査を行うより以前に、この分
野の専門家であればこそ、アスベスト飛散の危険性が排除できないことも認識なさっていたと考えざるをえません。私は聞きたいの
です。あなた方のお子さんを、解体工事中にその近くで遊ばせていましたかと。アスベストは、その姿が目に見えない致死性の高い
危険な物質として、その危険性は放射能のケースと驚くほど似ています。いや、その身体に及ぶ被害が中皮腫という形で20年~30年
後に現れてくるという点でさらにたちが悪いとも言えます。今、私の娘がアスベストに被爆していて20年後、30年後に起こる深刻な
苦しみに向かってカウントダウンが始まっているかと思うと、親として胸がはりさけそうな思いです。娘が発病したら、その時、私
はなにもできないでしょう。存在していないかも知れません。だから私は今回提訴に加わりました。それが、今、私が未来の娘に対
してしてあげられるおそらく唯一の手立てだからです。(S O)